7月17日のこと

 鹿屋二日目。目覚ましが鳴る10分前に目が覚めた。おじいちゃん化も順調だ。そして気持ちの良い目覚めも久し振りだ。朝食は普通の和定食。食後に女将さんが淹れてくれたおいしい珈琲を頂きながら、少しお話をする。
「本当に、何も無いところなのに…わざわざ来ていただいて…」
チェックインした時にも「どちらへ行かれるんですか?」と聞かれたのだが、そもそも目的も無く、温泉と和室があって、出来るだけ何もないところを選んでいる。正直に言うと、福岡の天神とかは最近キツくなってきている。年齢か?買い物や用事が無ければなかなか行かない。車のブーブーとか信号のピポピポとか、もううるさい。
トイレも客室も古くて、なかなか設備も整わない事をとても気にしている女将さんは、本来は料理と温泉だけをやっていたこと、昔は披露宴の宴会もやっていたこと、旅行会社の人に勧められて、民泊の宿として慣れないながらもネット予約も始めたこと等を話してくれた。
「温泉と自然があれば宿は気にしない、こういうのを良しとする人もいる」と私は思っているのだが、無責任な気がして言えなかった。
8時前に宿を出る。何処に行こうか。
桜島辺りまで行こうか。海沿いを走る。雨も降ったりやんだり。桜島フェリーの港のある町まで。学生の頃に一度このフェリーに乗った事がある。鹿児島市まで30分くらい?船内で「陽当たり良好!」の再放送が流れていたのだけ覚えている(古い!)。
あてもなく道の駅やらに寄ったりぶらぶらしているうちに、ナビを見ていると「神川大滝公園」というのを見つけた。行ってみよう。
そこそこ人が来ている。滝が見える吊り橋までは遊歩道を登る。もう雨は止んで日差しも強くなってきた。
足場の悪い道をグングン登ってようやくここまで。心臓がやばい。
 
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まだっすかー。
 
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着いた!と思ったらここにも駐車場があるでやんの。
 
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雨が続いたので水が濁っているよ。
 
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この「滑れよ」と言わんばかりの下り坂。
 
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さあお昼までもう少し。そこから車を南下させる。いっちょ佐多岬まで行ってみっか。実は初めて。
ラーメンでも食べたいなーと思いながらも、何となく何処にも止めることなくそのまま最南端の街へ。
展望台その他の設備が改修工事中で、あまり休憩もできなかった。人も結構いたのでガジュマルの木と海を眺めて退散。夕食は7時の約束だ。それまでどうしようかね。まあいいか。ドライヴだ。
午後の海を横目に好きな音楽を聴きながら、そしていつもの様に色んなことをぼんやりと考えながら運転する。
ナビを切ってわざと適当に走る。
良くある事だし、決して悪い事だとは捉えていないのだけど、得体のしれない正体不明の、鼻がツンとするような感情になってしまう。所謂「落ちる」ってやつに似ているのだが、それとの付き合い方も慣れたもので。うまく説明できませんが。
イライラしたり上がりすぎるよりはマシかなと思いながらも、我ながら面倒くさい性分に苦笑いをしたくなる。
適当に思い出したように車を停めてウロウロしたりして鹿屋市に戻ったのはもう夕方。結局お昼は摂らなかった。
宿に戻り温泉にパイルダー・オン。結構くたくただ。でも心地よい疲労。
仕切られた宴会場のひとつに一人分(私のね)の用意だけされている。今夜は揚げた鯉のあんかけ、ヤマメの塩焼き、お刺身と小さな鯉こくと小鉢。
曇っていなければ、抜け出して星でも見ようかと思っていたのだけど、生憎の夜空。瓶ビールを1本だけやりながら、食事に集中する。となりの部屋では地元の人かな、何かの宴だ。ちびっ子の走り回る音がする。
食後に外に出てみると、小雨が。カエルと声と虫の音の大合唱だ。本当に「そこで鳴いている」。
12時を迎える前に瞼がヤバくなってくる。明日はチェックアウトだ。